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違う吸血鬼ネタ

毎度おなじみ診断メーカーでこんなお題が出ました。
『あなたは2時間以内に4RTされたら、吸血鬼×ダンピール(半吸血鬼)の設定でキスから関係が始まる黎翔夕鈴の、漫画または小説を書きます。』
…そして達成しました(笑)
設定が連載中の吸血鬼ネタとは違うので、別の世界と思ってくださいませ。



今日も獲物を求め、夜の闇を身にまとい人に紛れる。

――人間の質も落ちたな。
行き交う人間達を眺めながら、つい溜息が漏れる。
最近は『魅力的な香り』の人間が減った。
我々吸血鬼にとっての魅力的な香り……美味なる血の持ち主。
たまには上等な食事にありつきたいものだが……
そう思った時、目の前を通った一人の人間から極上の香りがした。
私はすぐに、音も立てずに彼女の後を追った。

人通りの無くなったガード下の闇の中で追い付き、彼女の細い手首を掴んだ。
驚いて振り向く彼女の体を壁に押し付け、首筋に牙をたてようとした時、彼女が叫んだ。
「なっ、何をするつもりですか!?人を呼びますよっ!!」
小刻みに震える体とは裏腹な、その凛とした声と強い瞳に一瞬、目を奪われた。
「きゃ……」
その隙を突いて叫び声を上げそうになった彼女の唇を、私は無意識のうちに自分の唇で塞いでいた。
柔らかい唇から、魅力的な甘い香りがこぼれる。
私はその、吸血鬼の本能を誘う様な香りにあらがえずに、幾度も彼女の唇を貪った。

「……っ、ふぅっ」
やっと私が唇を離すと、彼女は乱れた息と共に私に問いかけた。
「あなたは、誰、ですか?何故私に、こんな……」
私を真っ直ぐに見つめる彼女の潤んだ瞳に、自分の中の獣が頭をもたげる。
「――君を心行くまで味わいたい」
「えっ……!?」
驚きに目を見開く彼女の白い首筋に、牙を立てた。
彼女から、声にならない悲鳴が聞こえた気がした。
――彼女の血は想像以上に甘く、私を酔わせる程に魅力的だった。
やがて私が牙を抜くと、彼女は力なくその場に崩れ落ちた。
気を失った彼女を抱き上げ、どうしたものかと考える。
今まで獲物に執着した事などない。
だが彼女を今までの獲物と同じ様に放っておく気持ちにもなれず、かといって人間を自分の世界に連れて行く訳にもいかない。
青ざめた彼女の顔を見つめていると、ふとそのまぶたが動いた。
ゆっくりと開いた彼女の瞳を見て、私は息を飲んだ。
――紅い瞳。我々吸血鬼と同じ血の様な……
「――まさか」
「足りないの……」
彼女はかすかな声でそう呟くと、私の首に両腕を絡めてきた。
先ほどまでの脅えた顔とは全く違う、妖艶な微笑みを私に向けた後、彼女は私の首に顔を寄せた。
「――っ!?」
首筋に痛みが走る。
不意の痛みから逃れるように、私は彼女を抱える腕に力を込めた。
一層密着した彼女の体が、段々と温かさを増していく。
まさか、同族なのか……?
いや、私が血を吸うまでは確かに人間にしか見えなかった。
では今、私の首に牙を立てているのは――

「……はぁ」
軽い溜息ともとれる息を吐き、彼女が私から顔を離した。
「あ……え?」
困惑した表情で私を見る彼女の瞳は、もう紅い色をしてはいなかった。
「わ、私……何を……?」
「吸血鬼である私が逆に血を吸われるとは――君は一体何者だ?」
「え?血を?」
驚き、両手で口を覆う彼女が演技をしているとは到底思えない。
「人間、なのか?」
「あ、当たり前です!あの、もう放してください!」
真っ赤な顔で怒り出した彼女の、生き生きとした表情に心惹かれる。
「こうしていると人間にしか見えないが――ダンピールか?」
「は?」
暴れていた彼女が動きを止め、不思議そうな顔をした。
「ダンピールとは吸血鬼と人間のハーフの事だ。何かがきっかけとなり、その能力に目覚める時がある」
「きっかけ……?」
「この場合は多分、私が血を吸った事、だな」
私の話を聞いていた彼女の顔が、さあっと青ざめた。
「あ、あなたは吸血鬼なんですか?」
「勿論」
私の腕の中から、わたわたと逃げ出そうとする彼女を抱き締め直し、その耳元で囁いた。
「――名前は?」
「おっ、教えませんっ!!」
「では、姫とでも呼ぶか――いや、花嫁か」
「はぁっ!?」
目を丸くしている彼女に向かって、私は薄く微笑んだ。
「ダンピールとして目覚めた以上、人間の世界では暮らせないだろう」
「え……」
「血を求めるようになるかもしれない。日の光が苦手になる事もある――灰になる場合もあるな」
彼女の顔がみるみる曇っていく。
こんなに豊かな表情を見せてくれる彼女を、いつまでも見ていたいと思うのは何という感情だろうか?
「――だから、私と共に生きてみないか?」
「な、何で、ですか?」
涙をたたえた瞳で、私を見上げる彼女の額に、私は唇をつけた。
「君を手放したくない。残りの生を、君と共に過ごしたい」
「……それ、プロポーズですか?」
「一生を共にするには、花嫁になるしかあるまい?」
今はまだ、彼女に対する執着心かもしれない。
人間のような『愛情』を持つのは無理かもしれないが、それでも彼女を大事にしたいと思い始めている。
吸血鬼として長く生きてきた自分が、こんな思いを持つ日がくるとは考えた事も無かった。
「……一度」
「ん?」
「一度、家に帰って父に聞いてみます。亡くなった母も人間だったか……」
かすかに震える彼女の手が、私の袖を掴んだ。
「そしてもし本当に、私が人間でないなら――」
彼女は探るような瞳を私に向けた。
「その時は、どうしたら良いか、教えてくれますか?」
「――では、まず名前を教えてくれないか?」
「……夕鈴、です」
「夕鈴。プロポーズの返事は何百年でも待とう。君と共にいられるなら、どんな関係でも良い」
そう言って頬に口付けると、夕鈴はたちまち顔を真っ赤に染めて暴れ出した。
自分の頬が緩むのを感じ、こんなに楽しい思いをしたのは初めての事かもしれないなと思いながら、私は夕鈴の唇にそっとキスをした。



SNS初出2014年8月19日
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【掲示板】インテ

皆様こんばんは。

夏コミに続いてインテでも委託をお願いいたしました。

『SUPER COMIC CITY関西20』
日時:2014年8月24日
サークル名:福屋書店 様
スペース:6号館Dみ63a

こちらのサークル様に委託をお願いいたしました。
ご興味のある方、よろしければお手にとってご覧くださいませm(__)m

※なお、委託は7月に出した新刊『異世界紀行』のみで既刊はありませんので、ご了承ください。
(手元にはありますので、本人参加のイベには持ち込む予定です)
プロフィール

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Author:*へもへも*
『狼陛下の花嫁』の二次創作小説がメインです。

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