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贈り物

SNSのお友達の誕生日に(遅刻して)贈らせて頂いたお話です。
最近お話をUP出来ていないのでさらしてしまおう←



12月のある日の事。
夕鈴は久しぶりに下町の自分の家へと向かっていた。
寒さが厳しくなる前に保存食を作っておきたいと李順を説得し、何故か嬉しそうな黎翔に付いて来ないように念を押し、やっと手に入れた休みを有効に使おうと、夕鈴は軒を並べる店々の品物に目をやりながら歩いていた。
「――何だオマエ帰ってたのかよ」
聞き覚えのある声に夕鈴が顔を上げると、ちょうど一軒の店から出て来た所らしい几鍔の姿が目に入った。
「何でアンタがこんな所にいるのよ」
不機嫌な態度を隠そうともしない夕鈴をじっと見ていた几鍔は
「そう言えばお前、一応女だよな」
と呟くように言い、夕鈴はその言葉に声を荒げた。
「一応って何なのよ!!喧嘩売ってんの!?」
「あぁ、わりぃ…ちょっと暇あるか?」
「……は?」
呆気にとられた夕鈴の腕を掴み、几鍔は一軒の飯店へと入って行った。

お茶と、軽い食べ物をいくつか頼んだ几鍔は、向かい合って座っている夕鈴に言いにくそうに話し始めた。
「実はな、世話になっている姐さんに贈り物をしたいんだが…何を贈ればいいか皆目見当もつかねぇ」
ガリガリと頭を掻く几鍔を目を丸くして見ていた夕鈴は
「贈り物!?アンタが!?」
と驚いた声を出した。
「――そんなに意外かよ」
運ばれて来た点心を、ホラ食えと自分の近くに寄せてくれた几鍔を見て、面倒見は良いから意外な事でもないのかしらと夕鈴は思い直した。
「で、そのお姐さんってどんな人なの?」
「そうだな…絵を描いてる、絵師だな。それで筆でもどうかと思ったんだけどな」
夕鈴は点心を口に運びながら
「それじゃ仕事道具じゃない。どうせならもっと違う物にしたら?」
と提案した。
「それが思い付かねぇから相談してんじゃねぇか」
「うーん…」
几鍔のもっともな言い分に、夕鈴は自分なら何が嬉しいかと考え始めた。
「――困り事?」
聞こえてはいけない声が自分の後ろから聞こえ、夕鈴は慌てて振り返った。
「へ…李翔さんっ!?」
「またオマエかよ…そんなに暇なのか?」
呆れたような几鍔の声を気にもせず、黎翔は夕鈴の隣の椅子に座るとお茶を注文した。
「で、難しい顔をして夕鈴は何を悩んでいるのかな?」
「お前には関係ねぇ…っと、いや…お前の方が詳しいか?」
几鍔は黎翔に向き直ると、先ほど夕鈴に話したのと同じ内容を説明した。
「ふーん…女性に贈り物をねぇ」
黎翔は薄く笑みながら、お茶を一口飲んだ。
「どんな物でも、相手が喜ぶ物が一番じゃないかな」
「それが分かれば苦労はしねぇ」
「――そうだね、女性によって喜ぶ物も違うからね。宝飾品より鍋とか」
にこにこと笑いながら言う黎翔に、几鍔は呆れた顔を向けた。
「そんな女、こいつ以外にいるのか?」
「ちょっと!!失礼ねっ!!鍋のどこが悪いのよっ」
「――やっぱりオマエの事かよ」
参考にならねぇな、と言う几鍔に
「実際にお店を回って決めようか」
と黎翔が助け船を出した。

飯店を出た三人はあちらの店、こちらの店と様々な物を眺め、手にとり吟味して行く。
だがなかなか几鍔は首を縦に振らず、贈り物探しは難航していた。
「もういい加減に決めなさいよっ!!」
「んな事言ったってなぁ、決まらねぇもんは仕方ねぇだろ」
腕を組み、ふいっと横を向いた几鍔の動きがピタリと止まった。
「……?どうしたのよ?」
「――あれだ」
几鍔はポツリと呟くと一軒の店へと走って行った。
「どうしたのかしら…?」
「何か見付けたんじゃないかな」
黎翔と夕鈴が顔を見合わせていると、そこへ几鍔が戻って来た。
「あー…今日は付き合わせて悪かったな」
「決まったの?」
「まぁな」
見れば几鍔の手には可愛らしい包みが乗っていて、それをポンポンと弾ませている。
「ふぅん…良かったじゃない。じゃ私は家に行くから」
「あぁ、青慎によろしくな」
くるりと背を向け歩き出した夕鈴の後を、にこりと几鍔に笑みを見せた黎翔が付いて行く。

「――夕鈴」
するりと手を絡められた夕鈴は、危うく上げそうになった悲鳴を何とか押し留めた。
「へっ…李翔さんっイチャイチャしないっ!!」
真っ赤な顔の夕鈴に、黎翔は面白くなさそうに言った。
「だって夕鈴、几鍔くんとお茶したり買い物したり仲良さげで…今だって几鍔くんの事考えてたでしょ?」
「うっ…そ、それは、几鍔が贈り物をする相手が気になって…」
「僕のお嫁さんなのに」
黎翔は夕鈴の手をしっかり握ると、指を絡ませた。
「~~~っ!!手、放して下さいっ」
「駄目だ――君は私の花嫁だろう?私の事だけを考えていれば良い」
眼鏡の奥から狼の瞳で見つめられ、夕鈴が口ごもると黎翔はその指先に唇をつけた。
「さぁ、早く夕鈴の家に行こう?」
にこっと笑った黎翔に手をひかれ、また変な噂が広まらないと良いけど、と夕鈴は溜息を吐いた。

途中の店で必要な物を買い、家に着いた夕鈴は早速パタパタと忙しそうに保存食作りを始めた。
「僕も手伝うよ」
「いいから座ってて下さいっ」
申し出をあっさりと却下された黎翔は、それでも嬉しそうにニコニコしながら夕鈴がやる事を眺めていた。
やがて作業が一段落し、夕鈴がお茶を淹れていると入口から声がした。
「おい、まだいるか?」
「――几鍔!?何しに来たのよっ」
「これを渡しに来たんだよ」
几鍔から袋を渡された夕鈴は、中を覗き込み
「え?サンザシ?」
と不思議そうに呟いた。
「オマエ、風邪をひかないようにって毎年買っていただろ?まぁ、今日の礼だ」
「お姐さんにもう渡して来たの!?喜んでくれた?」
「喜んだより驚いてたな――でも姐さん今日が誕生日でな」
頭に手をやりながら言う几鍔に、黎翔は納得したように話し掛けた。
「あぁ、だから今日渡せる様に探し回っていたんだね」
「まぁな…ところでお前もいつまでいんだよ」
「夕鈴と一緒に帰るよ?」
微笑みながらお茶を飲んでいる黎翔に、眉間にシワを寄せた几鍔は
「相変わらず胡散くせぇ奴だな」
と言った後、夕鈴に向かって忠告した。
「さっさと手を切った方が身の為だぞ」
「なっ…!!そんなんじゃないって言ってるでしょっ!!」
「へーへー。ま、仕事頑張れよな」
外へ出て行く几鍔の背中に、夕鈴は慌てて声をかけた。
「あ、几鍔サンザシありがとうっ」
片手を上げそのまま出て行った几鍔の後ろ姿を見送った夕鈴は、急に後ろから抱き付かれ心底驚いた。
「きゃっ!!な、何ですかっ」
「だって夕鈴また几鍔くんと仲良くしてるから」
「仲良く?どこがですかっ!?はーなーしーてー!!」
腕の中でバタバタと暴れる夕鈴の頭に、黎翔はこつんと額をつけて微笑んだ。
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インテ


早いなぁ…もう10日以上経つのか…
そんな訳で1月12日、COMICCITY大阪97に参加してきましたー!!
イベに絡めたSNSのオフ会にも参加しまして、二泊三日大阪におりました。

色々あったなぁ…
一番の収穫はオフ会に参加された、自分以外の19人とハグ出来た事ですかね(*´艸`*)コンプ!!
あとは大阪城を初めて見て上った事とか、その近くの神社で引いたおみくじに「病治る」とあったので嬉しかった事とか、関西は駅でも何でも建造物が大きいなぁと再確認した事とか…

お好み焼きの切り方が関東と関西で違う事も初めて知りました。
お互いに「その切り方初めて見た~」って感じで楽しかったです。

しかしいつも思いますが、皆様元気だわ(´∀`;)
睡眠時間が連日三時間程ですよ?
若いわねぇ…おばちゃんあとどれくらい付き合えるかしら←

今回のイベやオフ会では初めましてな方も多く、挨拶をしながら、この方があのお話(絵)を書(描)かれた方かぁと感慨深く眺めておりました(*´∇`)

イベでは自分で思っていた以上の沢山の方が本を手にして下さり、恥ずかしいような嬉しいような、あわわな感じでした///
二冊ともイロモノで、正直そんなに売れないだろうと思っていたので、興味を持って頂けてとても嬉しかったです。

そして今回も、沢山のお菓子を頂きましたー!!
皆様ありがとうございます!!
嬉しいから写真載せちゃいます♪

ピクシブやSNSやブログに通販の問い合わせを下さった方々、申し訳ありませんがもう少々お待ち下さい。
言い訳になりますが、ただ今リアが忙しく、委託の申込みが遅くなってしまいました。
あと数日でハッキリするかと思うのですが…
決まり次第ブログでお知らせ致しますm(__)m

それから、次はいつ本を出されますか?と質問して下さった方、予定は未定です。
今回の一度限りの同人誌活動かもしれません。
先の事は分かりません~(´∀`)

ただ、イベにはまた行きたいなと思っています。
普段なかなかお会い出来ない方々と、直にお会いしてお話し出来る貴重な機会ですから。

それでは、今回お会い出来た方とまたいつか会える事を願って。

【掲示板】1月12日インテ

皆様お久しぶりでございます。
管理人のへもへもです。

この度、1月12日のインテックス大阪において開かれます『COMIC CITY大阪97』にサークル参加させていただく事になりました。

5号館チ22abの『白陽国SNS出張所』様の片隅をお借り致します。

そして、このイベントに合わせて本を二冊発行致します。

『Una rosa per te』
文庫版・108頁・700円
フルカラー表紙(表紙絵は竹藤仁さん)
Web再録に加筆、修正+書き下ろし2本
ノベルティが付く…かも?

『女王陛下夜話』※R18※
A5版・48頁・400円
フルカラー表紙(表紙絵は香月夏梨さん)
黎翔(♀)×夕鈴(♂)
李順さんも絡みます。
成人向けですので、身分証のご提示をお願いする場合がございます。

※申し訳ありませんが、自家通販は行わない予定です。
※委託先が決まりましたらお知らせ致します。

本を出すのは本当に久しぶりですので、昔とは色々と勝手が違い戸惑いの連続でした。
ですが、沢山のご親切な方達に助けられ励まされ、何とか発行出来そうです。

関わって下さった皆様に心からの感謝を。

それでは、大阪で一人でも多くの方にお会い出来ます様に。


追記
竹藤さんと夏梨さんがピクシブに表紙絵をUPして下さいました。
どちらも本当に素敵な絵ですので、是非ご覧になって下さいませ(*´∀`*)
プロフィール

*へもへも*

Author:*へもへも*
『狼陛下の花嫁』の二次創作小説がメインです。

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